松本人志の笑いの才能をスポーツで喩えると? ―笑いとスポーツの類似性―

お笑い芸人の才能をスポーツに喩えたら、
という考察をすると、お笑いがより面白くなる。


松本人志はよく、自身の笑いの才能をスポーツに喩える。
陸上だったら、圧倒的な速さで北京五輪で世界記録を出した
ウサインボルトぐらい独走していると喩える。


ボクシングでいえば、一瞬でKO勝利をするマイクタイソンぐらいの才能であると喩える。
来世は、お笑いの才能の代わりに、スポーツの才能で生まれ変わりたいらしい。


松本人志と島田伸介のフリートークで使う笑いの手法の5割は「比喩・たとえ話」、
3割は物事の真理、リアルを突く「あるあるネタ」である。


松本人志は大声で怒りながら「あるあるネタ」をいうというスタイルを1990年代に確立させ、
多くのフォロワーを生んだ。


イチローも一塁ベースに腰をずらしながら、
まるで走りながら打つかのような打撃を1990年代に確立させ、多くのフォロワーを生んだ。


野球界のパイオニアイチローなら、
お笑い界のパイオニア松本人志だ。


松本人志の「比喩・たとえ話」はバスケットのダンクシュートや3Pシュートのように華麗である。
松本人志が次々と生み出す「比喩・たとえ話」は、
NBA史上最高選手と言われるカリーム・アブドゥル=ジャバーのスカイフックをみているようだ。
松本人志が美しい「比喩・たとえ話」を量産するように、
カリーム・アブドゥル=ジャバーは美しいスカイフックシュートでゴールを量産する。
カリーム・アブドゥル=ジャバーはNBA通算得点歴代最高であるが、
松本人志が生み出した笑いの数も手法も質も、歴代最高だろう。
松本人志の笑いの才能をバスケの才能に喩えると、
NBA史上最高選手のカリーム・アブドゥル=ジャバーぐらいの才能だろう。


ボクシングに喩えたら、マイクタイソンといった所だろう。
マイクタイソンが圧倒的な反射神経で相手の攻撃をかわし、強烈なパンチを量産するように、
松本人志も圧倒的な情報処理スピードで、大量の比喩・たとえ話を量産する。


陸上競技に喩えたら、北京五輪で圧倒的な速さで他者を突き放し、
世界記録9:69を出したウサインボルトに類比できるだろう。
ウサインボルトの100mの速さが圧倒的なように、
松本人志の比喩・たとえ話のうまさは圧倒的だ。


イチローが内野安打やスーパープレーを量産するように、
松本人志は比喩・たとえ話を量産する。
野球界のパイオニアイチローなら、
お笑い界のパイオニア松本人志だろう。


松本人志のプレーはまるで、
一流のスポーツ選手のプレーを見た時のような感動がある。
松本人志の作品は、一つの芸術であると同時に、
一流のスポーツ選手のプレーを見た時のような衝撃がある。


芸人の使う高度な笑いの手法を、
われわれがここまで考察してきたように、
スポーツを観戦するように楽しんでみることが、
笑いをより楽しむことに繋がり、
笑いをより深く理解することに繋がる。


松本人志の比喩・たとえ話の美しさを、
カリーム・アブドゥル=ジャバーのスカイフック、
イチローの内野安打、マイクタイソンの圧倒的なハードパンチを見ているように楽しむこと。

それが笑いをさらに楽しみ、人生をさらに楽しむための秘訣である。


カリーム・アブドゥル=ジャバーのスーパープレー集

マイクタイソンのスーパープレー集

イチローのスーパープレー集

ウサインボルトの世界記録


■参考文献
■ネットで読める笑いの手法を解説した文献一覧
http://d.hatena.ne.jp/tetsuya_murakami/20081206/1228535974
■ネット上で読める2009年1月11日現在最も優れたお笑い評論
ノンスタイル、サンド、チュート、M-1優勝者の共通点とは?
http://www.222.co.jp/netnews/article.aspx?asn=30553
村上哲也の講演の代表作『生態系論』


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